<2025年 飲食店 補強コンクリートブロック造 地上1階 沖縄県座間味村>
国立公園に指定されている、自然豊かな沖縄県、座間味島。
美しい海や珊瑚礁、熱帯魚を有するこの島は、ダイビングやホエールウォッチングを楽しむ人たちで後を絶たない。時間がゆっくり流れる癒しの島である。
港近くに建つこの小さな飲食店は、沖縄らしい花ブロックの塀が敷地を部分的に区切り、通りに対して開かれた建築である。
白い建物から突き出したサーモンピンクの壁は、3個の開口を持ち、見え隠れする次のシーンを期待させながら客を出迎える。
ランダムに置かれたテーブルやイス、植栽が南国らしい気楽でラフなシークエンスを演出する。この壁の向こうには、多目的なカウンターを持つテラスがある。半屋外の庭であり、小さなイベントが開かれる。曲線の屋根がつくる影が、座間味島の波の様に変化し、一日の時間を表現する。
沖縄の伝統的木造住宅には、門扉が無い。魔物から家を守る短い塀(ヒンプン)、その裏に庭(ナー)がある。この建築も壁はヒンプンであり、テラスはナーである。無意識に沖縄の住空間様式を体感するアプローチとなっており、屋内外に集える場がある。目的によって中心となる空間が変わる。それは、沖縄の古き良き生活習慣にも似ている。
座間味島は、入り江が美しい島である。
青いグラデーションの海が島を囲み、波がつくる幾つものウェーブが穏やかに島を包む。
本計画も、矩形でありながら自然と入り江に溶け込んでいく様相を、空の下に表現している。カウンターや屋根のウェーブ、アプローチの曲線は、波である。客は、立体的な波をくぐり空間を移動する。
連続したカウンターは、室内外を一体化する。
内部の天井・壁は、モルタル補修で仕上げた。そこへ、アンティークな家具を配置し、気取りのないラフな環境をつくる。
通常営業や貸し切りにも対応できる自由な空間と、オープンキッチンにすることで、ここを訪れた人達と店の人が程よい距離で集い、楽しむ。
座間味島の様におおらかで、その時々を楽しみながら、人々は、集う。この建築は、自由で流動的である。
「夏時間 SUMMER TIME ZAMAMI CAFE」は、2025年7月7日七夕の日にグランドオープンした。





























